選挙用ホームページの作り方
名刺やビラを見た人、SNSで知った人が、最後に確かめに来るのが候補者のホームページです。必要なもの、公職選挙法のルール、AIを使った作り方と、人に任せた方がよいところをまとめました。
選挙にホームページが要る理由
- 名前で検索されたときの受け皿:ポスターや街頭演説で名前を知った人は、まず検索します。何も出てこないと、それだけで不安を持たれます。
- 政策を落ち着いて読んでもらえる場所:SNSの投稿は流れていきます。経歴・政策・活動報告をまとめて読める場所が一つあると、SNSの発信もそこへつなげられます。
- 問い合わせの窓口:記者、団体、支援したい人からの連絡を受ける窓口になります。
公職選挙法で押さえておくこと
2013年から、インターネットを使った選挙運動ができるようになりました(ネット選挙)。ただし、決まりがあります。
- 選挙運動ができるのは告示日から投票日の前日まで:告示前は「選挙運動」(投票のお願い)はできず、政治活動としての発信になります。投票日当日は更新できません。
- 連絡先の表示:ホームページやSNSで選挙運動をするときは、電子メールアドレスなどの連絡先(問い合わせフォームのURLでも可)を表示します。
- 電子メールでの選挙運動は候補者・政党だけ:支援者が電子メールで投票を呼びかけることはできません(SNSやメッセージアプリは可)。
- 有料のネット広告は出せない:候補者個人が、選挙運動のための有料広告を出すことはできません。
- 18歳未満は選挙運動ができない:手伝ってもらう人にも気をつけます。
くわしくは総務省のインターネット選挙運動の解禁に関する情報と、選挙管理委員会の立候補予定者説明会の資料で確かめてください。
用意するもの
| もの | 中身 |
|---|---|
| ドメイン | ホームページの住所(例:yamada-taro.jp)。名前が入った覚えやすいものを、選挙のあとも使い続ける前提で取ります。 |
| サーバー | ホームページを置いておく場所。月額で借りるレンタルサーバーが一般的です。 |
| SSL(https) | 通信を暗号化する設定。ないとブラウザに「保護されていない通信」と出ます。多くのレンタルサーバーで無料で設定できます。 |
| ページ | プロフィール、政策、活動報告、問い合わせ(連絡先の表示)。スマホで読みやすいことが一番大事です。 |
| メール・問い合わせフォーム | 連絡先の表示のため、そして支援の申し出を受けるために用意します。 |
サーバー・ドメインの申し込み先
料金やキャンペーンは時期によって変わります。申し込みの前に、各社のページで確かめてください。
いまはAIで、安く・思い通りに作れる
文章の下書き、ページの構成、デザイン、さらにページそのもののコードまで、AIに手伝ってもらえるようになりました。以前のように、制作会社に数十万円を払わないと見栄えのよいページが作れない、という時代ではありません。自分の言葉で政策を書き、AIに整えてもらい、思い通りのページに仕上げることもできます。
ただし、時間がかかるのは「作る」以外のところ
つまずきやすいのは、ページを作る前と後です。
- サーバー選びと契約:プランの違い、支払い方法、名義(個人か後援会か)を決める。
- ドメインの設定:ドメインとサーバーをつなぐ設定(DNS)や、SSLの設定。反映まで時間がかかり、うまくいかない原因も分かりにくい。
- メールの設定:独自ドメインのメールが届かない、迷惑メールに入る、といったトラブル。
- 選挙中の更新:告示後は毎日の活動報告が増えます。投票日の前日までに確実に更新できる体制が要ります。
選挙の準備期間は、挨拶まわり、説明会、書類の準備で、ただでさえ時間が足りません。こうした設定でつまずくと、肝心の選挙運動に使える時間が削られます。慣れた業者に任せれば、数日で終わることがほとんどです。
いまはSNSの運用が勝負どころ
ホームページを作って終わり、ではありません。いまの選挙では、ショート動画やSNSの投稿で名前と人柄を知ってもらい、ホームページで政策を読んでもらう流れが重視されています。動画の撮影・編集、投稿の継続、コメントへの対応まで、候補者一人で続けるのは大変です。
ホームページとSNSは、選挙に詳しい専門家の力を借りるのが近道です。候補者は、有権者と会って話すことに時間を使ってください。
準備の目安
- 告示の半年〜3か月前:ドメインとサーバーを用意し、プロフィールと政策のページを公開。SNSのアカウントも始めます。
- 告示の1か月前まで:活動報告を増やし、名刺・ビラ・ポスターにURLやQRコードを入れます(→ 立候補の準備スケジュール)。
- 告示日〜投票日の前日:選挙運動として、毎日の活動を発信します。
よくある質問
選挙期間中にホームページを更新してもよいですか?
はい。候補者や政党は、告示(公示)日から投票日の前日まで、ホームページ・ブログ・SNSで選挙運動ができます。投票日の当日は選挙運動ができないため、更新はできません(前日までに載せたものは、そのまま載せておけます)。
選挙用のホームページに書かなければならないことはありますか?
ホームページなどで選挙運動をするときは、電子メールアドレスなど、連絡を受けられる宛先を表示する決まりがあります(公職選挙法第142条の3)。問い合わせフォームのURLでもかまいません。
ホームページの費用は公費負担になりますか?
なりません。選挙公営で公費になるのは、選挙ポスター・法定ビラ・選挙運動用自動車など法律と条例で決まったものだけです。ホームページの費用は自己負担で、選挙運動に使った分は選挙運動費用収支報告書に記載します。
候補者がインターネット広告を出してもよいですか?
候補者個人が、選挙運動のための有料のインターネット広告を出すことはできません(公職選挙法第142条の6)。ホームページへの集客は、SNSや後援会の発信、名刺・ビラへのURL掲載などで行います。
根拠:公職選挙法(第142条の3〜第142条の7など)、総務省「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」。実際の扱いは、選挙管理委員会の案内で確かめてください。