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選挙運動で報酬を払える人・払えない人

選挙運動は、原則として無報酬(ボランティア)で行うものです。例外として、届け出た車上等運動員(いわゆるウグイス嬢)・事務員・手話通訳者・要約筆記者と、選挙運動のための労務者にだけ、決められた上限の範囲で報酬を払えます。

報酬は公費負担の対象ではなく、候補者が自分で払う費用で、選挙運動に関する支出として選挙運動費用の上限に含まれます。立候補の費用全体は 選挙に立候補する費用 にまとめています。

報酬を払える人・払えない人

区分報酬実費弁償(交通費など)
車上等運動員・事務員・手話通訳者・要約筆記者(届け出た人)払える(上限あり)払える
選挙運動のために使う労務者(選挙運動そのものではない作業をする人)払える(上限あり)払える
上のどれにもあたらない運動員(電話かけ、街頭での投票の呼びかけなど)払えない払える(上限あり)

報酬を払える車上等運動員などは、法律で「専ら」その仕事のために使う人と決められています(第197条の2第2項)。報酬を受け取る人が、決められた仕事を超えて選挙運動をすると、報酬が買収とみなされるおそれがあります。

1日あたりの報酬の上限(政令の基準)

報酬を払える人1人1日の上限(基準)
車上等運動員(選挙カーや船の上で選挙運動をする人。いわゆるウグイス嬢)20,000円以内
手話通訳者(専ら手話通訳のために使う人)20,000円以内
要約筆記者(専ら要約筆記のために使う人)20,000円以内
事務員(選挙運動のために使う事務員)15,000円以内

選挙運動のために使う労務者の報酬の基準は、基本日額1万円以内、超過勤務手当は1日につき基本日額の5割以内です(施行令第129条第1項第2号)。

表の金額は公職選挙法施行令第129条の「基準」です。実際の上限額は、この基準の範囲で選挙ごとに選挙管理委員会が決めて告示します(公職選挙法第197条の2第1項・第2項)。自分の選挙の額は、選挙管理委員会の告示や立候補予定者説明会の資料で確かめてください。

人数の上限と届出

車上等運動員・事務員・手話通訳者・要約筆記者に報酬を払えるのは、立候補の届出の日から投票日の前日までで、1日に報酬を払える人数は選挙の種類ごとに決まっています(施行令第129条第3項)。

選挙1日に報酬を払える人数
町村の議会議員7人
町村長9人
市・特別区の議会議員(政令指定都市を除く)9人
市・特別区の長(政令指定都市を除く)12人
政令指定都市の議会議員12人
政令指定都市の市長34人
都道府県議会議員12人
都道府県知事50人

実費弁償(交通費・宿泊費・弁当料)

報酬を払えない運動員にも、実際にかかった費用を返す「実費弁償」は払えます。基準は次のとおりで、この範囲で選挙管理委員会が額を決めます(施行令第129条第1項)。

項目選挙運動に従事する人労務者
鉄道賃・船賃・航空賃・車賃道のりに応じた実費道のりに応じた実費
宿泊料1泊2万3千円(食事2食分を含む)1泊2万円(食事代を除く)
弁当料1食1,500円、1日4,500円—
茶菓料1日1,000円—

報酬が買収になる場合

当選させる(させない)目的で、選挙運動者にお金や物を渡したり、約束したりすると、買収罪になります。選挙運動をしたことの報酬として渡す場合も同じです(第221条第1項)。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、候補者や出納責任者などが行うと4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に重くなります(同条第3項)。

「アルバイト」「謝礼」など、どんな名目でも、選挙運動の対価として渡せば買収にあたるおそれがあります。報酬や実費弁償も選挙運動に関する支出なので、出納責任者(またはその文書による承諾を得た人)が支出します(第187条)。

18歳未満の人は選挙運動ができない

満18歳未満の人は選挙運動をすることができません。また、だれであっても18歳未満の人を使って選挙運動をすることはできません(第137条の2)。ただし、選挙運動のための労務に使うことはこの禁止にあたりません。

告示前後にやることの全体は 立候補の準備チェックリスト にまとめています。

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よくある質問

ウグイス嬢(車上運動員)の報酬の上限はいくらですか?

政令の基準は1人1日2万円以内です(公職選挙法施行令第129条第4項)。この基準の範囲で、選挙ごとに選挙管理委員会が実際の上限額を決めます。報酬を払うには、使う前に選挙管理委員会への届出が必要です。

選挙事務所の事務員に報酬を払えますか?

払えます。政令の基準は1人1日1万5千円以内で、選挙管理委員会が決めた額の範囲までです。報酬を払うには、使う前に選挙管理委員会への届出が必要です。

ボランティアの運動員に日当を払ってもいいですか?

払えません。報酬を払えるのは、届け出た車上等運動員・事務員・手話通訳者・要約筆記者と、選挙運動のための労務者に限られます。それ以外の運動員に払えるのは、交通費・宿泊費・弁当料などの実費弁償だけで、日当などを渡すと買収罪(第221条)にあたるおそれがあります。

高校生や18歳未満のアルバイトを雇えますか?

18歳未満の人は選挙運動をすることができず、18歳未満の人を使って選挙運動をすることも禁止されています(第137条の2)。選挙運動ではない労務に使うことは、この禁止の対象外です。

根拠:公職選挙法(第137条の2 年齢満18年未満の者の選挙運動の禁止、第139条 飲食物の提供の禁止、第187条 出納責任者の支出権限、第197条の2 実費弁償及び報酬の額、第221条 買収及び利害誘導罪)、公職選挙法施行令第129条(e-Gov法令検索)。実際の額・手続きは選挙管理委員会の告示と案内で確かめてください。

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